2021.07.12
医師の節税

マンション経営って本当に節税になるの?

マンション経営と節税

医師として病院で働いていると、「先生!マンション経営して節税してみませんか?!」という勧誘を一度は受けたことがあると思います。

おそらくほとんどの方が「興味がないから大丈夫です」と電話を切ったと思いますが、なぜマンション経営をすることが節税につながるのか、説明できる方は少ないのではないでしょうか?

そこで今回の記事では、マンション・アパート経営が節税になる仕組みについて、初心者でもわかるよう解説したいと思います。

医師は一般的なサラリーマンよりも高年収な場合が多いので、必然的に納税額も多くなりがちです。

不動産経営で安定した家賃収入をもらいつつ、節税効果も享受できるならこれほど美味しい話はないでしょう。

不動産経営や節税に興味のある方は、ぜひ最後までお付き合いください。

不動産経営で節税になるのは「損益通算」の効果!

「損益通算」という言葉は聞き慣れないと思いますが、これを理解できれば、なぜ不動産経営が節税になるかを理解できます。

ここでは勤務医を例にして説明をしたいと思います。

勤務医がマンション経営を行う場合、病院からの給与収入とマンション経営による不動産収入の2種類の収入を得ることになります。

医師によっては、バイト先の医療機関から収入を得ている方もいるので、その場合は3カ所以上の収入源があることになります。

みなさんが毎年納めている所得税ですが、不動産経営による収入がある場合は、給与所得と不動産所得を合わせた総所得金額に課税される仕組みになっています。

不動産経営には諸々の費用がかかりますが、その中でも特に初期費用は多くかかる傾向があり、経営一年目の不動産所得は赤字になるのが一般的です。

このとき、給与所得から不動産所得の赤字分を引くことで課税金額が低くなり、結果、所得税額も低くなる現象が起こります。これを専門用語で「損益通算」と呼びます。

具体例を挙げると、不動産経営をしていない課税所得が700万円の医師の場合、所得税額は約97万になります。

一方、不動産所得が100万円の赤字を出している医師の場合、課税所得は

700万円ー100万円=600万円

となり、所得税額も約77万と減額されます。

結果、20万円以上の所得税が節税されたことになります。

しかし、よくよく考えてみると20万円の節税効果はあったものの、元々不動産経営で100万円の赤字を出しているため、総合的には80万円を損していることになります。

悪徳な不動産業者はこの点を説明せず、損益通算による節税効果だけを強調して説明してくるので、「全体として見たときにお得なのか?」ということを意識して話を聞く姿勢が大切です。

ちなみに、不動産所得以外で給与所得と損益通算できるのは、事業所得、山林所得、譲渡所得だけになります。

当然ですが、株式投資やFXなどのは損益通算できないのでご留意ください。

不動産の規模によっては「青色申告」で節税できる

医師であれば、毎年自分自身で確定申告をしている方も多いと思いますが、先ほど説明した損益通算をするためには、必ず確定申告が必要になります。

勤務医としての給与所得しかない場合は、通常、白色申告を行います。

おそらく、この記事を読んでいるほとんどの方は、白色で確定申告をしています。

しかし、個人事業として不動産事業を行うのであれば、税務署に開業届を出すことで「青色申告」に切り替えることが可能です。

青色申告には税制上、さまざまな優遇措置が認められており、中でも「青色申告特別控除」を使えば、最大65万円の控除を受けることができます。

青色申告特別控除を受けるためには、「事業的規模」と呼ばれる「10部屋以上または5棟以上」の不動産物件を所有している必要がありますが、年間65万円という非常に強い節税効果を享受できます。

もし事業的規模に該当しなくても、青色申告の申請をしておけば10万円の控除が受けられるので、ご安心ください。

まとめ

「不動産経営で節税ができる!」と何となく知っていても、理論的に説明できる方は少なかったのではないでしょうか?

不動産経営には節税効果以外にも様々なメリットがありますが、投資初心者にはハードルが高いので知識ゼロで始めるのは難しいと思います。

しかし、「損益通算」や「青色申告」などの知識を知っているだけで他の節税メソッドにも活かせますし、何より悪徳な業者から身を守る手段になります。

悪徳業者の場合、節税効果の部分だけを説明して、肝心の物件内容や総所得の話をしない場合があります。

本記事で説明した「損益通算」や「青色申告」の知識を理解した状態で話を聞けば、これまでと違った世界が見えてくると思いますよ。


著者 広下 若葉

現役医師ライター。

麻酔科医として勤務する一方、ライターとして数々の作品を執筆。

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