こんにちは。
東日本麻酔科医ネットワークの竹森です。
麻酔科医に限らず医師とは切っても切れない関係であるアルバイトについてお話します。
医者は高給取りだと世の中には思われているようですが、大学病院などで働いていると基本給だけではなかなか厳しいと思います。
「単純にもっと稼ぎたい」
「家やマンションを購入したい」
「子供の教育のために収入を増やしたい。。」
「投資資金が欲しい」
いろいろな理由で収入を上げたいドクターは多く見られます。
収入を上げる一番シンプルな方法が医師にとってはアルバイトになります。
実際に私自身が大学病院にいたときも大学からもらう給料よりアルバイト代の方がはるかに高額でした。
このブログでは麻酔科医のアルバイトの形、勤務の仕方などについてお話ししようと思っています。
基本的なことなので「こんなの知ってるよ」という方は読み飛ばしちゃってください。
まずはアルバイトをどうやって見つけるかですが、以下のようなパターンになります。
・医局から紹介
・知人からの紹介
・医師紹介会社からの紹介
・自分で探す
それぞれメリット、デメリットがありますので説明していきます。
ここでは主に大学医局からという前提で話します。
大学の麻酔科医局に入局すると、通常は週に1回は医局の関連病院などに非常勤医師としてバイトに行きます。
医局によっては週1回の定期バイト以外にも不定期でバイトに出ることもあるため実質週に1回以上出ているケースも多々あります。
・医局の看板をしょっているため、スキルが未熟な場合でもアルバイト代はかなり高めに設定されているケースが多い。
・面接や履歴書提出などが不要。
・休暇や急病などで休む場合も多くは医局がカバーしてくれる。
・勤務先の麻酔科医も同じ医局出身であることが多く、業務においてもサポートが受けやすい。
・勤務地は医局に指定されるため不便な場所となることもある。
・曜日などは指定できない。
・自己都合ではほぼやめられない(やめにくいという方が今の時代として適切な表現かもしれませんが、実態としてはほぼやめられません)。
総合的に見ると、スキルがまだ完成していないような若い麻酔科医や家庭の都合などで急に休まざるを得ないようなことが起きるお子様持ちの医師などには優しいシステムと言えるでしょう。
中堅以上の医局員にとっても、自動的にそれなりの好条件のアルバイトを用意してもらえるという点でメリットはあります。
麻酔科医を探している外科医や病院から知り合いを経由して依頼されることもあります。
・勤務前から信頼が担保されているケースが多く働きやすい。
・必要書類さえ用意すればよく、面談などのストレスがほぼない。
・紹介会社経由でないため、紹介手数料の差額分を給料に上乗せしてもらえることがある。
・条件がやや悪くても、知り合いに遠慮して条件交渉をしにくい場合がある。
・労働環境などが想像と違っていた場合でも知人との人間関係上、やめにくいことがある。
・自分が働きたいタイミングや曜日で話が来るわけではないため、話が来ても受けられないケースも多い。
自分の必要なタイミングで話がくればストレスが少なく仕事に入れる可能性が高いです。
人脈を多く抱えていて仕事にも信頼がある麻酔科医にとっては効率よく最も良い条件で働ける可能性があります。
逆に言うと人脈、実力のいずれか一方でも欠けている場合は話がくることはまずないため、限られた麻酔科医にとっての話といえます。
世の中には多くの医師紹介会社があります。
そのような会社のウェブサイトやエージェントは病院から求人を預かっているため、アルバイトを検索したり探してもらうことができます。
・自分の働きたいタイミング、エリアで勤務できる可能性が高い。
・全く縁がないエリアでのアルバイトも可能。
・人間関係のしがらみがないため、無理して引き受ける必要もなく、やめる場合もストレスが少ない。
・勤務に関する条件を紹介業者経由で主張できるため、病院と直接交渉するというストレスが減る。
・大学医局や知り合い経由より給料は低くなる傾向がある。
・常勤医師と紹介業者との関係性によっては常勤医のサポートが薄くなり、トラブル時の対応にリスクが生じる場合がある。
・成約させることを第一に考えている紹介業者の場合、希望するエリアや条件と程遠い案件を紹介されることもある。
大手から小規模な紹介会社までありますが、大手は基本的にはプラットフォームを提供するだけで基本的にはマッチングに近いケースが多いです。
また、麻酔科医専門の紹介会社ではないケースだと案件はあまり持っていないケースもあります。
紹介会社経由は自分の空いている時間にうまくバイトを入れたい、当直明けの休みもバイトをしたいような方には使い勝手がいいと思います。
紹介会社に希望条件などを伝えて病院を探してもらったり、医師が苦手な条件交渉をおこなってもらえるなど丸投げできるというメリットがあります。
忙しい医師にとって時間と労力をかけずに仕事を探せるため、うまく使えばとても便利だと思います。
医師ではほとんど見かけませんが理論的には可能です。
仕事をしたいエリアや病院などに直接問い合わせて条件交渉など全て自分でおこなうことになります。
・自分の希望エリア、給与、条件など交渉によっては最大限引き出せる可能性がある。
・病院側から素性を怪しまれることがある。
・交渉能力が低い場合はむしろ、相場より悪い条件で買いたたかれる可能性がある。
自分で直接交渉することを厭わない人であれば上記のメリットはあるかもしれません。
しかしながら、私の経験上、1個人で交渉する場合と団体で交渉する場合の交渉力の差は大きいと言わざるを得ないです。
平均的な条件に上乗せしてもらえるだけのプレミアムが自分にあり、かつそれを使ってしっかりと交渉できない場合は紹介会社と同程度の条件すら引き出せない可能性があります。
また、休みを取ったりする場合に代わりの医師を用意するのも自分で手配する必要があったり、場合によっては契約書作成などの手間も生じるため多忙な医師にとってはかなり手間が増える部分があります。
医師は契約に不慣れなケースも多いため、交渉力に自信のない方や金額や数字をダイレクトに提示することに抵抗がある場合はおすすめできません。
麻酔科医に限らず医師のアルバイトの探し方としては
・医局経由
・知り合い経由
・紹介会社経由
・自分で探す
というパターンが主流です。
当然、組合せたりしている麻酔科医も多いのが実情です。
大学医局員は医局にお任せでいいでしょう。
知り合い経由で仕事がどんどん依頼される人は別ですが、そうでなければ紹介会社をうまく使って、空いている時間にアルバイトを入れるというのが無難な選択だと思います。
ただ注意しなくてはいけない点として、大学医局によっては医局経由以外のバイトを原則禁止しているところもあります。
意外と業界は狭いのでこっそりアルバイトしているのが医局バレすると大変なのでくれぐれも気をつけてください。
著者 竹森 健
東日本麻酔科医ネットワーク代表。
麻酔科専門医、指導医、医学博士。
フリーランス麻酔科医として10年以上活動する傍らで医療法人経営。
MM2Hホルダーでマレーシアへの教育移住経験あり。
麻酔科専門医の竹森が地方での深刻な麻酔科医不足を解消するために設立した一般社団法人です。
麻酔科医の重要性の啓蒙、麻酔科医の専門技術・知識の更新をサポート、
地域の医療水準向上への協力を理念に掲げ、質の高い麻酔科医を紹介し、総合的により安全かつ
円滑な手術室運営に貢献してきました。
2024年度から実施される医師の働き方改革に向けた取り組みもおこなっていきます。
クローズドな麻酔科医ネットワークとは別にオープンな医師紹介の需要にも応えるため、
麻酔科医専門の求人サイトも運営しております。