2021.05.15
医師の節税

始める前に要チェック!医師がiDeCoを始める前の4つの注意点

ideco4つの注意点

iDeCo(個人型確定拠出年金)は「節税効果を享受しつつ、退職後の資産を形成できる制度」です。

なぜなら、毎月一定の金額を拠出して資産形成できるだけでなく、拠出金額を全額、所得から控除できるからです。

加えて、「運用利益は非課税」というメリットもあります。

しかし、これらのメリットを最大限活かすには「4つの注意点」があります。

あらかじめポイントを理解してから制度を始めることで、より効率的に資産を運用できるでしょう。

そこで、今回の記事では「医師がiDeCoを始める前の注意点」を4つのポイントからお伝えします。

「こんなはずじゃなかった!」と後悔しないためにも、iDeCoの注意点を把握してから制度を利用しましょう。

原則「60歳」まで引き出せない

iDeCoの正式名称は「個人型確定拠出年金」。

「年金」というワードのとおり、その目的は「老後に向けた資金形成」です。

そのため、iDeCoで積み立てた資金は原則「60歳」まで引き出すことができません。

例えば、「預金」について考えてみましょう。

「普通預金」であれ「定期預金」であれ、想定外の大きな出費があった場合は、これらを解約してすぐに現金化することができます。

一方、iDeCoは原則60歳まで引き出すことができません。

仮に早期退職をした場合でも、60歳まで継続して積み立てる必要すらあります。

そのため、iDeCoで運用する資金は「必要資金を差し引いた余剰金」を活用しましょう。

たしかに原則60歳まで引き出せないことはデメリットですが、見方を変えれば、自身の支出を見直す絶好の機会と捉えることもできます。

家計簿をつける習慣のない方は、iDeCoを機に家計簿にチャレンジするのもおすすめです。

iDeCoを始める際には、運用前に家計の収支を見直し、必要資金を差し引いた「余剰資金」を積み立てることを意識しましょう。

拠出金額には上限がある

iDeCoの拠出金額には上限があります。具体的な上限金額は、勤め先の条件等によって個人差があります。

例えば開業医の場合は、自営業主に該当するため「月額6万8,000円」を拠出可能です。

一方、勤務医の場合は、勤め先が企業年金に加入しているかがポイントです。

企業年金に加入していなければ「月額2万3,000円」、加入していれば「月額2万円」が上限になります。

いくら資金が潤沢な医師でも、勤務医かつ勤務先が企業型年金に加入していれば、月額2万円までしか投資できません。

投資額が少ないと投資利益が減るだけでなく、「小規模企業共済等掛金控除」で控除される所得控除額も少なくなります。

実際にiDeCoを始める前には、自身の拠出上限額を確認しておきましょう。

上限額を自分で決められないのは大きなデメリットですが、決まりなので致し方ありません。

元本割れのリスクがある

iDeCoは「年金制度」の一つですが、「投資」の側面も有しています。

拠出金額で投資信託などの金融商品を運用するため、「元本割れ」のリスクが常にあるのです。

「定期預金型商品」を選べば元本は保証されますが、その分リターンも小さくなってしまいます。

個人の性格や他資産との兼ね合いもあるため、一概に「この商品がいい!」ということは出来ませんが、あえて一つ選ぶのであれば「全世界株式型のインデックスファンド」をおすすめします。

仕事が忙しい医師の場合、リバランスやスイッチングなど、購入後のメンテナンスは極力少ない商品がベターだと思います。

「全世界株式型のインデックスファンド」であれば、世界経済の成長に合わせた着実な資産形成に期待できます。

代表的なベンチマークは「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」です。

一度、ご自身で商品を探してみてはいかがですか。

運用開始前の手続きが煩雑

iDeCoを始めるにあたり、いくつか必要な手続きがあります。

具体的には、運用する金融機関を選び、手続書類を入力して、iDeCo専用口座を開設する必要があります。

そして、無事口座を開設できたら、運用する金融商品を選び、購入して、やっと運用が開始されます。

公的年金であれば、掛け金は給与から自動で天引きされますし、書類手続きも事務が勝手に処理してくれます。

それに比べると、iDeCoの煩雑さに驚く方も多いでしょう。

仕事が忙しい医師とっては最大の問題かもしれません。

まとめ

iDeCoは、資産を形成しながら節税ができる年金制度です。

特に医師の場合、所得税率が高いことから大きな節税効果を期待できます。

また、転職が多く退職金に期待が出来ない場合でも、iDeCoで個人年金を積み立てれば安泰な老後をおくれるでしょう。

本記事で触れた注意点に気を付ければ、iDeCoはきっと強い味方になります。

みなさんも本記事をきっかけに、iDeCoを始めてみてはいかがでしょうか。


著者 広下 若葉

現役医師ライター。

麻酔科医として勤務する一方、ライターとして数々の作品を執筆。


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